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外壁の乾式工法と湿式工法

 最近はモルタルで外壁を仕上げる(湿式工法)ことがあまりなくなってきたことは前回お話ししましたが今回はその理由というかサイディング(乾式工法)との工程の比較をしてみたいと思います。

 サイディングは基本的に4つの工程で完了します。

   紙張り→通気金物(胴縁)取付→サイディング張り→目地のコーキング

 モルタル仕上げは倍の8つの工程があります。

   紙張り→通気胴縁取付→ラス地張り→フェルト張り→ラス張り→下地塗り→中塗り→仕上げ塗り

 紙張りというのは透湿防水シートを張ることで、乾式・湿式ともに雨が入らないように必ず張るものです。そして通気胴縁を取り付けることによって壁の中に湿気がたまらないように空気の層を作るのが一般的になっています。乾式の場合は通気胴縁の代わりに通気金物というサイディングをひっかける金物を使う場合もあります。

透湿防水シートに通気胴縁を取り付けている様子

 ここまでは乾式も湿式も同じですがここからは湿式の場合を見ていきましょう。通気胴縁にラス地という板を張っていきます。岡山ではヒノキのラス地を使うことが多いですがスギの場合もあるようです。その板にフェルトと呼ばれるアスファルトをしみこませた紙を防水の為に貼っていきます。

ラス地という木材に黒いフェルトと呼ばれる紙を貼っている様子

 このフェルトを張り終えたらつぎはメタルラスという網目状の金属を張っていきます。昔は平ラスという平面的なものを使っていましたが今は波形ラスという立体的なものを使っています。これはモルタルを塗りつけたときにラスの間にモルタルが入り込んでより一体感を高めてはがれにくくするためです。

波形ラスを仮止めしているところ

 ここまできてようやくモルタル下地を塗りつける工程に入りますがその前にサッシや土台水切りが汚れないように養生をしていかなければなりません。

サッシが汚れないように養生をしてラスに下塗りのモルタルを塗っている様子

 下塗りが終われば中塗りの工程に入りますが、その時にひび割れを防ぐメッシュを同時に塗り込んでいきます。昔は「しび目地」というスジをいれて意図的にその目地にヒビを来させて全体にひび割れができないようにしていましたが、現在ではコンクリートの土間などに入れるくらいになりました。

中塗りをするときには全面にメッシュを張った状態で塗り込んで割れにくくする
玄関と土間収納の境目のところにしび目地を入れている様子。

 中塗りが終われば仕上げ塗りです。タウンハウスでは仕上げ塗りは基本的にアイカ工業のジョリパットを使っています。ジョリパットは固まっても少し弾性があってひび割れしにくい建材です。

ジョリパットを仕上げに塗っているところ。コテ目が印象的。

 仕上げ材を塗る前に左官屋さんに実際の材料を石こうボードなどに塗ってもらってコテ目をくっきり残すのがいいのかあまり残さないようにあっさり目がいいかなどをお客様に決めていただいてから仕上げ塗りするようにしています。仕上げのときは複数人の左官屋さんの手で仕上げるので客観的に共有できるようにサンプルを作っておくような感じです。

 このように湿式工法は手間と時間とコストがかかり天気にも左右されるので工程管理も大変な部分がありますが、職人さんが丁寧に作業して仕上げた外壁を見ると何物にも代えられない魅力があると思います。

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